"バーレーン【その他】"
スタジアムと空港のあいだ
- 2008-10-04 (Sat)
- 旅行中
- 訪問国:バーレーン【その他】
ゲームが終わって、スタジアムメインゲートまでダッシュする私。
本来なら、ゲーム後は他のサポーターの皆さんと、雄叫びを上げながら勝利の余韻に浸りたいところですが(もしかしたら、ここが一番「おいしい」時間なのかも)、ヒースロ−・バーレーン間のフライトは1日1便しかなく(他の都市への運行と比べると、毎日あるだけマシとも言えますが)、これに乗り遅れるとヨーロッパでの日程が1日短縮されるので、致し方ありません。
メインゲートに到着したのは11:25。約束の時間から5分遅れていますが「プラスマイナス数分遅れるかも」と言っていたので許容範囲、と都合よく自分を正当化してタクシーを待ちます。
早い時間に諦めて、自家用車で帰宅するバーレーンの人たちはちらほら見かけましたが、バーレーンの終盤の2点が効いたのか、まだ帰る人の大波は押し寄せていないようでした。それに、スタジアム前の道はまだ渋滞と言えるほどの交通量はなく、このまま順調にタクシーと合流できれば、なんとか空港に間に合うかもしれない、とずいぶん希望がでてきました。
それにしても、ゲーム直後だというのに、この道を走るタクシーはまばらで、帰路のタクシーを押さえておいたのは正解だったと思う一方…私のタクシーも見当たりません。
よく考えたら、終了後はほとんどの日本サポーターがジャパンブルー
のユニフォームを着ているのだから、「青のユニフォーム」では私を見分ける決定打にならないのでは…と不安がよぎりかけたその時、何度も頭の中で復唱したあのタクシーナンバーが私の前まで滑り込んできました。
やった、間に合った…! 実際ゲートの前で待っていたのは2分程度だったと思うのですが、この時間もロスタイムの間と同じほど長く、不安な数分間でした。

[そのナンバーは2416]
私が乗り込むと、車内には優雅なオペラのラジオ番組が流れていて、ついさっきまでと時間の流れが違うような錯覚を覚えながらも、「ゲームの結果はどうでした?」と聞かれ、現実に引き戻されます。
「We won」…と言いながらも、後半に退場者1人出し、3点ビハインドの不利な状況からも、最後まで勝負を捨てずに日本に追いすがり、その結果、ラスト5分で1点差まで追い上げるという粘りを見せた、バーレーンチームの健闘を素直に称えました。
そう、振り返ってみれば、たった一言、「ナイスゲーム」だったのです。
最初は日本代表チームが得点を重ねるのを、単純に喜んでいました。
が、いつしか、日本と違う独特の雰囲気、気候、声援(っていうか、不思議な中東風の音楽)の中、祖国の代表に声援を送る興奮に、酔いしれていた自分がいました。
相手も最終予選に残るだけあって「勝って当たり前」のレベルのチームではありません(実際、3月のW杯三次予選では日本はバーレーンにアウェイ戦で敗れています)。そういった緊張感が張り詰める中だっただけに、日本のゴールシーンは格別だったのです。
W杯フィーバーも過ぎ、最近では、日本代表のゲームに足を運ぶ方が少なくなってきているそうですが(ホームゲームでも空席がある試合が出てきているとか…)、決してその魅力が失われてきているわけではないと感じました。
加えての私見ですが、特にアウェイゲームのライブ観戦は日本人が少なからず持っている「判官びいき」の深層心理が後押しして、より日本代表に感情移入できると思います。相手の地の利、数の面では劣るサポーター。その逆境をはねのけてつかみ取る勝利であるからこそ、その感動が大きくなると思うのです。
かといって、私自身が、11月中旬にカタール・ドーハで行われる次のアウェイゲームをライブで観戦できるのか、と問われると、「大人の事情」がこれを許してくれるはずもなく
、現実と理想のギャップに苛まれるのが悩ましいところですが。
試合終了直後のアクションが功を奏したのか、タクシーは順調にバーレーンの夜を滑走します。途中、住宅街に抜ける方面にテールランプの長蛇の列を見ましたが、ダウンタウン・マナーマ方面のハイウェイは順調に流れているようでした。
ドライバーのハッサンも「このトラフィックなら、時間通りに空港に着ける」と太鼓判を押してくれました。
「こんな遅い時間のサポートに感謝します」との私に、
「ビジネスがある限り、仕事をするのは当然」とニヤリとしながら「今は神聖な月で、遅めの時間帯に働こうとしているからノープロブレム」と付け加えるハッサン。
そうか、やっぱりラマダンってタクシーの運ちゃんにも影響するんだよね…と思い至って、ハッとする私。
「もしかして、今日のバーレーンの動きが鈍かったのは、ラマダンの影響があったのでは?」
今日はラマダンに入って6日目。相手チームの数名は、ムスリムの掟に従って、日中は食事を取っていないでしょうし、飲み物すら口にしていないかもしれません。
そんな状況下で、コンディションをベストの状態に持ってこれるでしょうか?
スポーツ医学的に、日中のトレーニングの効率は落ちるでしょうし、中にはキックオフの直前にイフタール(断食明けの食事)を取って試合に臨んだ選手もいたことでしょう。
こう問いかけても、ラマダンを代表チームの敗北に結びつける言い訳は、きっとムスリムの人たちに否定されるでしょうけれど。
ラマダン期の日中の断食の由来は、ムハンマドがヒジュラ(聖遷)期に直面した道中の苦難を追体験するものだと言われます。
ムスリムの皆さんに聞くと、「豊かな人も空腹感を通じて、貧しい人の気持ちを共有できる」とか「ラマダンを通して、自分がムスリムだと認識でき、そして自分がムスリムのコミュニティーに属しているのを実感できる」とその効果を口を揃えて答えられます。
ラマダン期の日中の断食は、ムスリムの皆さんにとって、自らのアイデンティティに直結する重要な習慣です。そして、それを敗戦の言い訳にはしないでしょう。だからこそ、AFC(アジアサッカー連盟)もラマダン期に関わらず、このゲームをマッチアップしたのでしょうし。
ただ、今日のゲームがラマダン以外に行われていたら、どうだっただろう…と想像すると、特に後半の2失点があっただけに、ぞっとします。
最終予選で当たる相手は、これからも強豪が続きます。日本チームには、いい意味で「勝って兜の緒を締め」て、次戦以降に臨んでもらいたいと願うばかりです。
タクシーは順調に夜のとばりを走り抜け、予想通りの時間にホテルに到着。スーツケースをピックアップして空港に向かいます。この調子なら、無事に予定フライトへ滑り込めそうです。
後部座席の暗がりで財布を開いて現金を確認する私。バーレーンディナールはほぼ使い切っていましたが、念のための作業です。
空港には12時過ぎに到着。ハッサン、グッドジョブ
です。
重たいスーツケースもあったので、25バーレーンディナール(7250円)に加えて、使い道が難しいであろう現地通貨のコインをすべて渡して、
「エクストラはいくら渡しても構わないんですぜ」
と予想通りの一言を付け加えるハッサンに対して、財布を広げて
「I'm sorry but ... あとの手持ちはユーロしかないんです。これで全部ですが、取っておいてください」
と私。でも、
「グッドドライブで、車内は快適でした。無事、旅が続けられます」
と付け加え、握手で彼と別れたのでした。
…本当は事前にドル紙幣と15バーレーンディナールほどを、別のポケットに避難させておいたのは、内緒のままで。
たまに、チップをせがんできて鬱陶しい、がめついタクシードライバーにあたることがあり、この程度の自己防衛は必要となる場合があるのです。
果たして私は旅慣れたのでしょうか、それとも「すれて」しまったのでしょうか?
本来なら、ゲーム後は他のサポーターの皆さんと、雄叫びを上げながら勝利の余韻に浸りたいところですが(もしかしたら、ここが一番「おいしい」時間なのかも)、ヒースロ−・バーレーン間のフライトは1日1便しかなく(他の都市への運行と比べると、毎日あるだけマシとも言えますが)、これに乗り遅れるとヨーロッパでの日程が1日短縮されるので、致し方ありません。
メインゲートに到着したのは11:25。約束の時間から5分遅れていますが「プラスマイナス数分遅れるかも」と言っていたので許容範囲、と都合よく自分を正当化してタクシーを待ちます。
早い時間に諦めて、自家用車で帰宅するバーレーンの人たちはちらほら見かけましたが、バーレーンの終盤の2点が効いたのか、まだ帰る人の大波は押し寄せていないようでした。それに、スタジアム前の道はまだ渋滞と言えるほどの交通量はなく、このまま順調にタクシーと合流できれば、なんとか空港に間に合うかもしれない、とずいぶん希望がでてきました。
それにしても、ゲーム直後だというのに、この道を走るタクシーはまばらで、帰路のタクシーを押さえておいたのは正解だったと思う一方…私のタクシーも見当たりません。
よく考えたら、終了後はほとんどの日本サポーターがジャパンブルー
やった、間に合った…! 実際ゲートの前で待っていたのは2分程度だったと思うのですが、この時間もロスタイムの間と同じほど長く、不安な数分間でした。

[そのナンバーは2416]
私が乗り込むと、車内には優雅なオペラのラジオ番組が流れていて、ついさっきまでと時間の流れが違うような錯覚を覚えながらも、「ゲームの結果はどうでした?」と聞かれ、現実に引き戻されます。
「We won」…と言いながらも、後半に退場者1人出し、3点ビハインドの不利な状況からも、最後まで勝負を捨てずに日本に追いすがり、その結果、ラスト5分で1点差まで追い上げるという粘りを見せた、バーレーンチームの健闘を素直に称えました。
そう、振り返ってみれば、たった一言、「ナイスゲーム」だったのです。
最初は日本代表チームが得点を重ねるのを、単純に喜んでいました。
が、いつしか、日本と違う独特の雰囲気、気候、声援(っていうか、不思議な中東風の音楽)の中、祖国の代表に声援を送る興奮に、酔いしれていた自分がいました。
相手も最終予選に残るだけあって「勝って当たり前」のレベルのチームではありません(実際、3月のW杯三次予選では日本はバーレーンにアウェイ戦で敗れています)。そういった緊張感が張り詰める中だっただけに、日本のゴールシーンは格別だったのです。
W杯フィーバーも過ぎ、最近では、日本代表のゲームに足を運ぶ方が少なくなってきているそうですが(ホームゲームでも空席がある試合が出てきているとか…)、決してその魅力が失われてきているわけではないと感じました。
加えての私見ですが、特にアウェイゲームのライブ観戦は日本人が少なからず持っている「判官びいき」の深層心理が後押しして、より日本代表に感情移入できると思います。相手の地の利、数の面では劣るサポーター。その逆境をはねのけてつかみ取る勝利であるからこそ、その感動が大きくなると思うのです。
かといって、私自身が、11月中旬にカタール・ドーハで行われる次のアウェイゲームをライブで観戦できるのか、と問われると、「大人の事情」がこれを許してくれるはずもなく
試合終了直後のアクションが功を奏したのか、タクシーは順調にバーレーンの夜を滑走します。途中、住宅街に抜ける方面にテールランプの長蛇の列を見ましたが、ダウンタウン・マナーマ方面のハイウェイは順調に流れているようでした。
ドライバーのハッサンも「このトラフィックなら、時間通りに空港に着ける」と太鼓判を押してくれました。
「こんな遅い時間のサポートに感謝します」との私に、
「ビジネスがある限り、仕事をするのは当然」とニヤリとしながら「今は神聖な月で、遅めの時間帯に働こうとしているからノープロブレム」と付け加えるハッサン。
そうか、やっぱりラマダンってタクシーの運ちゃんにも影響するんだよね…と思い至って、ハッとする私。
「もしかして、今日のバーレーンの動きが鈍かったのは、ラマダンの影響があったのでは?」
今日はラマダンに入って6日目。相手チームの数名は、ムスリムの掟に従って、日中は食事を取っていないでしょうし、飲み物すら口にしていないかもしれません。
そんな状況下で、コンディションをベストの状態に持ってこれるでしょうか?
スポーツ医学的に、日中のトレーニングの効率は落ちるでしょうし、中にはキックオフの直前にイフタール(断食明けの食事)を取って試合に臨んだ選手もいたことでしょう。
こう問いかけても、ラマダンを代表チームの敗北に結びつける言い訳は、きっとムスリムの人たちに否定されるでしょうけれど。
ラマダン期の日中の断食の由来は、ムハンマドがヒジュラ(聖遷)期に直面した道中の苦難を追体験するものだと言われます。
ムスリムの皆さんに聞くと、「豊かな人も空腹感を通じて、貧しい人の気持ちを共有できる」とか「ラマダンを通して、自分がムスリムだと認識でき、そして自分がムスリムのコミュニティーに属しているのを実感できる」とその効果を口を揃えて答えられます。
ラマダン期の日中の断食は、ムスリムの皆さんにとって、自らのアイデンティティに直結する重要な習慣です。そして、それを敗戦の言い訳にはしないでしょう。だからこそ、AFC(アジアサッカー連盟)もラマダン期に関わらず、このゲームをマッチアップしたのでしょうし。
ただ、今日のゲームがラマダン以外に行われていたら、どうだっただろう…と想像すると、特に後半の2失点があっただけに、ぞっとします。
最終予選で当たる相手は、これからも強豪が続きます。日本チームには、いい意味で「勝って兜の緒を締め」て、次戦以降に臨んでもらいたいと願うばかりです。
タクシーは順調に夜のとばりを走り抜け、予想通りの時間にホテルに到着。スーツケースをピックアップして空港に向かいます。この調子なら、無事に予定フライトへ滑り込めそうです。
後部座席の暗がりで財布を開いて現金を確認する私。バーレーンディナールはほぼ使い切っていましたが、念のための作業です。
空港には12時過ぎに到着。ハッサン、グッドジョブ
重たいスーツケースもあったので、25バーレーンディナール(7250円)に加えて、使い道が難しいであろう現地通貨のコインをすべて渡して、
「エクストラはいくら渡しても構わないんですぜ」
と予想通りの一言を付け加えるハッサンに対して、財布を広げて
「I'm sorry but ... あとの手持ちはユーロしかないんです。これで全部ですが、取っておいてください」
と私。でも、
「グッドドライブで、車内は快適でした。無事、旅が続けられます」
と付け加え、握手で彼と別れたのでした。
…本当は事前にドル紙幣と15バーレーンディナールほどを、別のポケットに避難させておいたのは、内緒のままで。
たまに、チップをせがんできて鬱陶しい、がめついタクシードライバーにあたることがあり、この程度の自己防衛は必要となる場合があるのです。
果たして私は旅慣れたのでしょうか、それとも「すれて」しまったのでしょうか?
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昂揚と焦燥のあいだ
- 2008-10-04 (Sat)
- 旅行中
- 訪問国:バーレーン【その他】
日本ボールでのキックオフのホイッスルが吹かれた…と思いきや、相変わらず主審の笛は聞こえず、代わりに爆竹(?)
のような音がスタジアムに響き渡る不穏な立ち上がり。
しかし、最初の15分は互いに決定的な場面もなく、比較的落ち着いた展開が続きました。
状況を打開しようと動いたのはバーレーン。交代のアナウンスも聞こえず、電光掲示板に何も表示されなかったので、一瞬状況把握が難しかったのですが、どうやら前線のフォワード2枚を同時に代えて、攻撃のリズムを変えるべく画策したようでした。
が、その狙いもつかの間、数分後にバーレーンの中盤の選手が、今日2枚目のイエローカードで退場(ただ、誰が退場になったのかは、電光掲示板とアナウンスからは不明だったのですが
)。
この退場劇の後、バーレーンサイドの客席を見ると、一部のお客さんが帰り出すのがわかりました。いかにホームとはいえ、後半20分の時点で、2点ビハインド&1人少ない状況なら、家路につきたくなるのも頷けるところです。
どうせなら、とどめの追加点を早めに取って、空港行きをスムーズにしてほしい、と贅沢な願いを祈りはじめる私。
そんな私の願いが通じたか、ほぼ手中に収めた勝利を確実にすべく、日本も着実に手を打ちます。今日イエローカードを1枚受けて、徐々に運動量が落ちてきていた、松井選手に代えて、中盤の誰か
がIN。
テレビをご覧になっていて、この交代時に観客席からその選手の名前をコールする声が聞こえなかったと思うのですが、はい、サポーターも誰と交代か一瞬分からず、コールのタイミングを逸したのでありました。
ここからしばらくの日本の試合運びは盤石でした。
残り交代枠2枚を使いながら時間を稼ぎ、攻めては何度もバーレーンゴールを脅かしながら(動画はアップしませんが、エリア内でボールを奪った長谷部選手のシュート→クロスバー直撃&こぼれ球を拾った田中達選手のシュート→再びクロスバー のくだりでは、私の声が掠れるほど絶叫しておりました)、圧倒的にペースを握ります。
そんな中…。
[途中交代・中村憲剛選手の意地の一発]
中盤でボールを支配すると、じっくりボールを回したり、自ら持ちこんで切り込む動きが目立った日本ですが、ドリブラー・松井選手に代わって入った中村憲剛選手の、相手の虚を衝くミドルシュートが決まりました。
バーレーンも、ペナルティエリア外からのシュートはそれほど警戒していなかったようで、DFに当たってコースが変化したこともあって、相手GKは一歩も動けませんでした。
ついでにいえば、あまりにあっさり入ったので、サポーターも「あれ、入った?」「あれって、ゴールですよね?」と周囲に確認してから歓喜の輪が広がる、そんな追加点となりました。
[点数よりもタクシーの時間を気にする余裕綽々の一枚だったのですが]
後半40分で3点リード。しかも相手は10人。
こうなれば勝負は決まったようなもの。2時間後に迫ったフライトに乗るため「タクシーが待ってるので、そろそろ失礼します」と周囲の皆さんに挨拶しながら、荷物をまとめる私ですが、その矢先に、悲鳴が…。
[不穏な空気が流れ始めるラスト5分]
…はにゃ?
うーむ、よく見ていなかったのですが、バーレーンのラッキーパンチが入ったらしく、最後まで油断はできない模様です。
しかし、時間は止まってくれず、飛行機は待ってくれません。試合が無事に終わってくれることを願いつつ、スタンドを後にします。
一般的には、試合終了とともに、多くのお客さんが動き出すのですが、若干の(贅沢な)悩みがバーレーンの皆さんの諦めの早さでした。
結果的にはこの1点が、多くのお客さんの足を止めたらしく、この時点では出口にそれほどの人を見かけませんでした。そこで、グラウンド横なら、もう少し大丈夫かな、と立ち見ながら様子見をすることにしました。
[こんな角度からの観戦も新鮮]
テレビ中継なら、あるいは見やすいスタジアムなら「第4の審判」が掲示するロスタイムを把握でき、正味の残り時間を概算で知ることができます。
しかし、このスタジアムの電光掲示板情報は貧弱で、微妙な残り時間の類推ができません。大きな時計の針は、ハッサンとの待ち合わせ時間・11:20を示しています。
そこで「これで最後」と思って、記念ビデオ撮影をしたのが、以下の動画です。この直前に、確かにバーレーンサイドが盛り上がっているような気がしたのですが…。
[電光掲示板の表示に目を疑って…]
はーーー? GOAL???
頭、真っ白です(上の動画では、混乱して急に掲示板にパンしています。ここから私の動揺を察していただれば)。余裕ぶっこきモードはいっぺんに吹き飛びました。
ボールが動いていたのは明らかに日本ゴール側。ということは…、バーレーンが追加点を挙げたのです。
電光掲示板は非情な現実を突きつけます。
[帰れへんやん!]
これには参りました。すでに時計の針は待ち合わせ時間を数分過ぎていますが、このままでは日本の勝利を確信してスタジアムを後にできません。
3-0での楽勝ムードが一変、ほんの数分で1点差に追いつかれたのです。
ここからの数分は、今までの流れが嘘のように、とてつもなく長い数分間でした。
もはや写真や動画を撮っている余裕はありません。角度のないグラウンドレベルからの断片的な眺めから、キーパーのセーブに手を叩き、日本サイドからのクリアに安堵して叫び、後半は選手が倒される場面が少なかったはずだと自分に言い聞かせ、ロスタイムは長くても3分、と信じて嵐が過ぎ去るのを待ちわびます。
この試合で、私にとって最初で最後のホイッスルは確実に耳にすることができました。
ゲームセットを告げる長い笛。それを聞き遂げた私は踵を返して駆け出したのでした。
本人は記憶にないのですが、どうやらこの際、シャッターを押していた模様です…。
[脱兎のごとく]
しかし、最初の15分は互いに決定的な場面もなく、比較的落ち着いた展開が続きました。
状況を打開しようと動いたのはバーレーン。交代のアナウンスも聞こえず、電光掲示板に何も表示されなかったので、一瞬状況把握が難しかったのですが、どうやら前線のフォワード2枚を同時に代えて、攻撃のリズムを変えるべく画策したようでした。
が、その狙いもつかの間、数分後にバーレーンの中盤の選手が、今日2枚目のイエローカードで退場(ただ、誰が退場になったのかは、電光掲示板とアナウンスからは不明だったのですが
この退場劇の後、バーレーンサイドの客席を見ると、一部のお客さんが帰り出すのがわかりました。いかにホームとはいえ、後半20分の時点で、2点ビハインド&1人少ない状況なら、家路につきたくなるのも頷けるところです。
どうせなら、とどめの追加点を早めに取って、空港行きをスムーズにしてほしい、と贅沢な願いを祈りはじめる私。
そんな私の願いが通じたか、ほぼ手中に収めた勝利を確実にすべく、日本も着実に手を打ちます。今日イエローカードを1枚受けて、徐々に運動量が落ちてきていた、松井選手に代えて、中盤の誰か
テレビをご覧になっていて、この交代時に観客席からその選手の名前をコールする声が聞こえなかったと思うのですが、はい、サポーターも誰と交代か一瞬分からず、コールのタイミングを逸したのでありました。
ここからしばらくの日本の試合運びは盤石でした。
残り交代枠2枚を使いながら時間を稼ぎ、攻めては何度もバーレーンゴールを脅かしながら(動画はアップしませんが、エリア内でボールを奪った長谷部選手のシュート→クロスバー直撃&こぼれ球を拾った田中達選手のシュート→再びクロスバー のくだりでは、私の声が掠れるほど絶叫しておりました)、圧倒的にペースを握ります。
そんな中…。
[途中交代・中村憲剛選手の意地の一発]
中盤でボールを支配すると、じっくりボールを回したり、自ら持ちこんで切り込む動きが目立った日本ですが、ドリブラー・松井選手に代わって入った中村憲剛選手の、相手の虚を衝くミドルシュートが決まりました。
バーレーンも、ペナルティエリア外からのシュートはそれほど警戒していなかったようで、DFに当たってコースが変化したこともあって、相手GKは一歩も動けませんでした。
ついでにいえば、あまりにあっさり入ったので、サポーターも「あれ、入った?」「あれって、ゴールですよね?」と周囲に確認してから歓喜の輪が広がる、そんな追加点となりました。

[点数よりもタクシーの時間を気にする余裕綽々の一枚だったのですが]
後半40分で3点リード。しかも相手は10人。
こうなれば勝負は決まったようなもの。2時間後に迫ったフライトに乗るため「タクシーが待ってるので、そろそろ失礼します」と周囲の皆さんに挨拶しながら、荷物をまとめる私ですが、その矢先に、悲鳴が…。

[不穏な空気が流れ始めるラスト5分]
…はにゃ?
うーむ、よく見ていなかったのですが、バーレーンのラッキーパンチが入ったらしく、最後まで油断はできない模様です。
しかし、時間は止まってくれず、飛行機は待ってくれません。試合が無事に終わってくれることを願いつつ、スタンドを後にします。
一般的には、試合終了とともに、多くのお客さんが動き出すのですが、若干の(贅沢な)悩みがバーレーンの皆さんの諦めの早さでした。
結果的にはこの1点が、多くのお客さんの足を止めたらしく、この時点では出口にそれほどの人を見かけませんでした。そこで、グラウンド横なら、もう少し大丈夫かな、と立ち見ながら様子見をすることにしました。

[こんな角度からの観戦も新鮮]
テレビ中継なら、あるいは見やすいスタジアムなら「第4の審判」が掲示するロスタイムを把握でき、正味の残り時間を概算で知ることができます。
しかし、このスタジアムの電光掲示板情報は貧弱で、微妙な残り時間の類推ができません。大きな時計の針は、ハッサンとの待ち合わせ時間・11:20を示しています。
そこで「これで最後」と思って、記念ビデオ撮影をしたのが、以下の動画です。この直前に、確かにバーレーンサイドが盛り上がっているような気がしたのですが…。
[電光掲示板の表示に目を疑って…]
はーーー? GOAL???
頭、真っ白です(上の動画では、混乱して急に掲示板にパンしています。ここから私の動揺を察していただれば)。余裕ぶっこきモードはいっぺんに吹き飛びました。
ボールが動いていたのは明らかに日本ゴール側。ということは…、バーレーンが追加点を挙げたのです。
電光掲示板は非情な現実を突きつけます。

[帰れへんやん!]
これには参りました。すでに時計の針は待ち合わせ時間を数分過ぎていますが、このままでは日本の勝利を確信してスタジアムを後にできません。
3-0での楽勝ムードが一変、ほんの数分で1点差に追いつかれたのです。
ここからの数分は、今までの流れが嘘のように、とてつもなく長い数分間でした。
もはや写真や動画を撮っている余裕はありません。角度のないグラウンドレベルからの断片的な眺めから、キーパーのセーブに手を叩き、日本サイドからのクリアに安堵して叫び、後半は選手が倒される場面が少なかったはずだと自分に言い聞かせ、ロスタイムは長くても3分、と信じて嵐が過ぎ去るのを待ちわびます。
この試合で、私にとって最初で最後のホイッスルは確実に耳にすることができました。
ゲームセットを告げる長い笛。それを聞き遂げた私は踵を返して駆け出したのでした。
本人は記憶にないのですが、どうやらこの際、シャッターを押していた模様です…。

[脱兎のごとく]
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前半と後半のあいだ
- 2008-10-03 (Fri)
- 旅行中
- 訪問国:バーレーン【その他】
要はハーフタイム、ちゅうことで
日本代表が2点リードということもあり、試合前のピリピリムードに比べると、応援団にも心の余裕が出てきました。
後半戦は日本が日本サポーターサイドに向けて攻撃する形となります。できれば、このまま近いサイドを中心にボールを回してもらって、ゆっくり後半を眺めていたいね、などという声が聞こえてきます。
[後半はこの子の出番が減ってほしい]
しかし、こちらサイドの観客席からは分からなかったのですが、前半戦では、向こうサイドの攻撃について、FK・PKキッカーが、レーザーポインターの光線による妨害を受けるというとんでもないことが起こっていました。…やはり今回の警備は甘くて、進行に影響がでていたのです。
そんなことはつゆ知らず、呑気に話をしていたものです。
#なお、このビーム光線について中村選手は、試合後に「イタリアではよくあったことで、懐かしい感じだった」と語っていました。頼もしい限りです。
ハーフタイム中に皆さんから聞いた中で、ひとつ興味深い話題を。そもそも、このゲーム開始時間がなぜ晩の9:30なのか?という疑問についてです。
バーレーンとは、3月にもバーレーン競技場で対戦しています(W杯アジア3次予選)。その際のキックオフは、夕方の5:20。私はこの時間帯に強烈な違和感を覚えました。気温の高いこの地で、なぜナイターでゲームをしないのか、と。
で、私が軽くネットサーフィンをしてキャッチしたのは、「日本の広告代理店がプッシュして、日本でのテレビ中継で視聴率が取れるような時間帯に変更させた」という説です。
バーレーン時間のPM5:20は、日本時間のPM11:20にあたります。ゴールデンタイムとはいえませんが、確かに深夜番組のコンテンツとすれば、一定の数字は狙える放送枠といえます。
昨今のスポーツイベントは、ショービジネス化しており、商業ベースでの成功なくして運営が成り立たない側面があります。
例えば、バレーボールがラリーポイント制に変わったのは、試合時間を読みやすくして、テレビ中継が時間枠内に収まりやすくするためですし、先の北京オリンピックで、主要競泳競技の予選が前日の午後に行われ、決勝が翌日の午前中に行われたのは、多くのテレビ観戦が期待できる、アメリカのテレビ視聴時間に合わせたためです。
そういった背景もあり、3月のゲームは「日本のマスコミのビジネスのために試合時間が中途半端な時間になった」のに、テレビ中継では「日本代表、灼熱のアウェーでの試練」的な煽りがあったのに対し、ネット上では「それって自作自演ちゃうんか」という怨嗟が渦巻いていたのです。
しかし、関係筋に聞くと、試合時間の決定権はあくまで主催のバーレーン協会側にあり(勝ち点差、得失点差が微妙に順位に絡むリーグ最終戦では、時差があっても最終ゲームを同時並行するように調整することはある)、3月のゲームの試合時間設定は、放映権料の吊り上げを狙ったバーレーンサッカー協会のしたたかな戦略によるものなのだそうです。
…それでも放映権を買ってしまっている(?)日本は、やはり足元を見られている感がなきにしもあらずですが。
今回、観客席では若干の飲み物とおつまみが購入できたのですが、この写真のブランドが購入できるのは、アジア予選関連会場ならではです。
というのも、W杯のオフィシャルスポンサーはコ○コー○で、会場での「オフィシャルドリンク」はア○エリ○スになるから、という「大人の事情」があるからです。
この争奪戦にも、どれだけのお金が動いているのやら…。
[表記言語が違っても中身が何か類推できる、それがブランドエクイティ]
今回、放映権吊り上げの戦略が取れなかったのは、ラマダンの影響だからだとか。
敬虔な信者は唾さえ飲まないというこの時期に、水分補給なしで90分戦うのは、スポーツ医学的にナンセンスですし、それにラマダン期に日中にゲームをしても、ろくに観客が集まりません。
というわけで、日本のテレビ放送には不利になりますが、現地時間のナイトゲームとなったのだそうです。
やはりここでもラマダン。おかげで、私の空港行きの移動時間がタイトになったのでした。うーん、何から何まで…。
2点リードで前半を終えた日本代表。個人的には、あと3点ぐらい取って、試合途中でバーレーンの皆さんにはお帰りいただき、時間通りに無事空港に着けるように、と祈りながらの後半戦に突入です。
日本代表が2点リードということもあり、試合前のピリピリムードに比べると、応援団にも心の余裕が出てきました。
後半戦は日本が日本サポーターサイドに向けて攻撃する形となります。できれば、このまま近いサイドを中心にボールを回してもらって、ゆっくり後半を眺めていたいね、などという声が聞こえてきます。

[後半はこの子の出番が減ってほしい]
しかし、こちらサイドの観客席からは分からなかったのですが、前半戦では、向こうサイドの攻撃について、FK・PKキッカーが、レーザーポインターの光線による妨害を受けるというとんでもないことが起こっていました。…やはり今回の警備は甘くて、進行に影響がでていたのです。
そんなことはつゆ知らず、呑気に話をしていたものです。
#なお、このビーム光線について中村選手は、試合後に「イタリアではよくあったことで、懐かしい感じだった」と語っていました。頼もしい限りです。
ハーフタイム中に皆さんから聞いた中で、ひとつ興味深い話題を。そもそも、このゲーム開始時間がなぜ晩の9:30なのか?という疑問についてです。
バーレーンとは、3月にもバーレーン競技場で対戦しています(W杯アジア3次予選)。その際のキックオフは、夕方の5:20。私はこの時間帯に強烈な違和感を覚えました。気温の高いこの地で、なぜナイターでゲームをしないのか、と。
で、私が軽くネットサーフィンをしてキャッチしたのは、「日本の広告代理店がプッシュして、日本でのテレビ中継で視聴率が取れるような時間帯に変更させた」という説です。
バーレーン時間のPM5:20は、日本時間のPM11:20にあたります。ゴールデンタイムとはいえませんが、確かに深夜番組のコンテンツとすれば、一定の数字は狙える放送枠といえます。
昨今のスポーツイベントは、ショービジネス化しており、商業ベースでの成功なくして運営が成り立たない側面があります。
例えば、バレーボールがラリーポイント制に変わったのは、試合時間を読みやすくして、テレビ中継が時間枠内に収まりやすくするためですし、先の北京オリンピックで、主要競泳競技の予選が前日の午後に行われ、決勝が翌日の午前中に行われたのは、多くのテレビ観戦が期待できる、アメリカのテレビ視聴時間に合わせたためです。
そういった背景もあり、3月のゲームは「日本のマスコミのビジネスのために試合時間が中途半端な時間になった」のに、テレビ中継では「日本代表、灼熱のアウェーでの試練」的な煽りがあったのに対し、ネット上では「それって自作自演ちゃうんか」という怨嗟が渦巻いていたのです。
しかし、関係筋に聞くと、試合時間の決定権はあくまで主催のバーレーン協会側にあり(勝ち点差、得失点差が微妙に順位に絡むリーグ最終戦では、時差があっても最終ゲームを同時並行するように調整することはある)、3月のゲームの試合時間設定は、放映権料の吊り上げを狙ったバーレーンサッカー協会のしたたかな戦略によるものなのだそうです。
…それでも放映権を買ってしまっている(?)日本は、やはり足元を見られている感がなきにしもあらずですが。
今回、観客席では若干の飲み物とおつまみが購入できたのですが、この写真のブランドが購入できるのは、アジア予選関連会場ならではです。
というのも、W杯のオフィシャルスポンサーはコ○コー○で、会場での「オフィシャルドリンク」はア○エリ○スになるから、という「大人の事情」があるからです。
この争奪戦にも、どれだけのお金が動いているのやら…。

[表記言語が違っても中身が何か類推できる、それがブランドエクイティ]
今回、放映権吊り上げの戦略が取れなかったのは、ラマダンの影響だからだとか。
敬虔な信者は唾さえ飲まないというこの時期に、水分補給なしで90分戦うのは、スポーツ医学的にナンセンスですし、それにラマダン期に日中にゲームをしても、ろくに観客が集まりません。
というわけで、日本のテレビ放送には不利になりますが、現地時間のナイトゲームとなったのだそうです。
やはりここでもラマダン。おかげで、私の空港行きの移動時間がタイトになったのでした。うーん、何から何まで…。
2点リードで前半を終えた日本代表。個人的には、あと3点ぐらい取って、試合途中でバーレーンの皆さんにはお帰りいただき、時間通りに無事空港に着けるように、と祈りながらの後半戦に突入です。
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絶叫と歓喜のあいだ
- 2008-10-03 (Fri)
- 旅行中
- 訪問国:バーレーン【その他】
ゲームの概要は前エントリーでおさらいしていただくとして、再び観客席視点から。
前半が始まってから10分は、両チームともスムーズな立ち上がり。お互い流れの中から軽くシュートチャンスを迎えながら、互いのディフェンスラインが機能して、決定的な場面とならず、互角の戦いを演じていました。
それでも、観客席は徐々にヒートアップ。前日入りした皆さんは時差ボケがあったかもしれませんが…
[確かに寝てる場合とちゃいまっせー]
そんな中、絶好の位置からのFKのチャンス。
キッカーは中村俊輔選手でしょうか、遠藤選手でしょうか? 距離的には十分直接ゴールを狙える距離。固唾を飲んで見守ります。
FKを打つ前に、観客席は「ウー」といううなり声をあげるのですが、二人のキッカーのフェイントがたびたび入り、なかなかボールが動きません。そんなとき、何度も息継ぎしながら
、その瞬間を待ちます。そして…
[後半で醜態を晒していますが、お伝えしたいのはむしろこの雰囲気]
決まったー! 日本先制!!!
ゴールネット
が揺れた後は、もうもみくちゃ。
これです。この興奮です。
この一瞬を味わうために、遠路はるばるバーレーンまでやってきたのです。
まわりの日本サポーターと喜びを分かち合います。スタジアムにやって来るまで、存じ上げなかった皆さん。でもそんなことは関係ありません。同じ側のスタンドにいれば、それだけで仲間。
これこそが「現地でないと味わえない興奮」です。テレビで観戦していても、ゴールの瞬間は思わず声をあげてしまう私。
でも、申し訳ないですが、現地の観客席からの興奮は、テレビ観戦と比較になりません。
日本代表、まずは、この興奮をありがとう。
いやー来た試合で点が入ってよかった、と胸を撫で下ろします。
[南アフリカへの切符を掴む最後のステージの第一歩]
これでペースを握った日本代表。ひやっとする場面もなかったわけではありませんが、終始押し気味に展開します。
そして、そろそろ、追加点を…な空気が流れ出した前半終了間際。ゴール前の混戦から、大きなチャンスが訪れます。
[遠藤が蹴る前の軽い打ち合わせがトリッキーなアイデアの伏線に]
遠くのサイドの出来事だったので、最初は状況が把握できなかったのですが、まわりから「ハンド
」の声が。そんなのよく見えますね、と思いながら同時に、これってペナルティーエリア内ですよね、と気付いた瞬間、私、叫んでおりました。
「遠藤コロコロ!遠藤コロコロ!」
周りの人もハッとなり、「遠藤」「遠藤」の声が(上の映像の終盤)。
遠藤保仁選手と言えば、日本代表、いや世界レベルで屈指のPK職人です。
PKにおける彼のシュートは速くありません。むしろ遅めの球速でグラウンダーのボールを蹴るため、派手さはないと言っていいでしょう。しかし、驚異の決定率を誇ります。
彼の凄さは「ボールを見ずに、キーパーの動きだけで判断して左右にボールを転がして蹴る」という職人芸にあります。彼はキーパーの重心の動きに注目し、蹴り出す前の一瞬の動きを察知して、その動きの逆に蹴る(動かない場合はサイドネットを狙う)という、独自のスタイルを貫いています。
このキックは人間工学的に実に理にかなっています。彼のPK集をビデオでご覧になれば(例えばYouTubeで検索したこれ)、これならコロコロ転がすようなシュートでも、いや、キーパーの逆をつけることから、より確実にPKを決められるのだとご理解いただけるでしょう。
というわけで…
[日本が世界に誇るPK職人、安心して見ていられます]
2点目の余裕もあったのですが、それ以前に「遠藤なら大丈夫」的な絶対的な信頼があったため、先制点に比べたら、ゴール後の興奮にも、やや余裕が見られます

[アウェイながら、完全に主導権を引き寄せる2点目]
それにしても、先ほどから汗が止まりません。灼熱というより、サウナの中にいるような感じです。京都出身の私は、盆地特有の気候が色濃い、「京都の夏」を連想していました。
[ちょっと見苦しいですが…この蒸し暑さ感を察していただけますでしょうか]
ただ、このタイプの暑さは、割と日本の夏に似ていて、個人的には、日本代表にとって大きな不利にはならないのではないかと思いました。
それ以上に、バーレーンの選手達が思ったより動けていない、と率直に感じました。
ボールの支配率は圧倒的に日本に軍配が上がります。ゴール前に何度か攻め込まれていましたが、あくまでディフェンスラインの想定内、というケースが多く、このまま淡々と前半終了となったのでした。
前半が始まってから10分は、両チームともスムーズな立ち上がり。お互い流れの中から軽くシュートチャンスを迎えながら、互いのディフェンスラインが機能して、決定的な場面とならず、互角の戦いを演じていました。
それでも、観客席は徐々にヒートアップ。前日入りした皆さんは時差ボケがあったかもしれませんが…

[確かに寝てる場合とちゃいまっせー]
そんな中、絶好の位置からのFKのチャンス。
キッカーは中村俊輔選手でしょうか、遠藤選手でしょうか? 距離的には十分直接ゴールを狙える距離。固唾を飲んで見守ります。
FKを打つ前に、観客席は「ウー」といううなり声をあげるのですが、二人のキッカーのフェイントがたびたび入り、なかなかボールが動きません。そんなとき、何度も息継ぎしながら
[後半で醜態を晒していますが、お伝えしたいのはむしろこの雰囲気]
決まったー! 日本先制!!!
ゴールネット
これです。この興奮です。
この一瞬を味わうために、遠路はるばるバーレーンまでやってきたのです。
まわりの日本サポーターと喜びを分かち合います。スタジアムにやって来るまで、存じ上げなかった皆さん。でもそんなことは関係ありません。同じ側のスタンドにいれば、それだけで仲間。
これこそが「現地でないと味わえない興奮」です。テレビで観戦していても、ゴールの瞬間は思わず声をあげてしまう私。
でも、申し訳ないですが、現地の観客席からの興奮は、テレビ観戦と比較になりません。
日本代表、まずは、この興奮をありがとう。
いやー来た試合で点が入ってよかった、と胸を撫で下ろします。

[南アフリカへの切符を掴む最後のステージの第一歩]
これでペースを握った日本代表。ひやっとする場面もなかったわけではありませんが、終始押し気味に展開します。
そして、そろそろ、追加点を…な空気が流れ出した前半終了間際。ゴール前の混戦から、大きなチャンスが訪れます。
[遠藤が蹴る前の軽い打ち合わせがトリッキーなアイデアの伏線に]
遠くのサイドの出来事だったので、最初は状況が把握できなかったのですが、まわりから「ハンド
「遠藤コロコロ!遠藤コロコロ!」
周りの人もハッとなり、「遠藤」「遠藤」の声が(上の映像の終盤)。
遠藤保仁選手と言えば、日本代表、いや世界レベルで屈指のPK職人です。
PKにおける彼のシュートは速くありません。むしろ遅めの球速でグラウンダーのボールを蹴るため、派手さはないと言っていいでしょう。しかし、驚異の決定率を誇ります。
彼の凄さは「ボールを見ずに、キーパーの動きだけで判断して左右にボールを転がして蹴る」という職人芸にあります。彼はキーパーの重心の動きに注目し、蹴り出す前の一瞬の動きを察知して、その動きの逆に蹴る(動かない場合はサイドネットを狙う)という、独自のスタイルを貫いています。
このキックは人間工学的に実に理にかなっています。彼のPK集をビデオでご覧になれば(例えばYouTubeで検索したこれ)、これならコロコロ転がすようなシュートでも、いや、キーパーの逆をつけることから、より確実にPKを決められるのだとご理解いただけるでしょう。
というわけで…
[日本が世界に誇るPK職人、安心して見ていられます]
2点目の余裕もあったのですが、それ以前に「遠藤なら大丈夫」的な絶対的な信頼があったため、先制点に比べたら、ゴール後の興奮にも、やや余裕が見られます

[アウェイながら、完全に主導権を引き寄せる2点目]
それにしても、先ほどから汗が止まりません。灼熱というより、サウナの中にいるような感じです。京都出身の私は、盆地特有の気候が色濃い、「京都の夏」を連想していました。

[ちょっと見苦しいですが…この蒸し暑さ感を察していただけますでしょうか]
ただ、このタイプの暑さは、割と日本の夏に似ていて、個人的には、日本代表にとって大きな不利にはならないのではないかと思いました。
それ以上に、バーレーンの選手達が思ったより動けていない、と率直に感じました。
ボールの支配率は圧倒的に日本に軍配が上がります。ゴール前に何度か攻め込まれていましたが、あくまでディフェンスラインの想定内、というケースが多く、このまま淡々と前半終了となったのでした。
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お茶の間と観客席のあいだ
- 2008-10-02 (Thu)
- 旅行中
- 訪問国:バーレーン【その他】
このゲームを「お茶の間視点」から振り返るには、以下のYouTube動画(10分54秒)から。
[あの興奮をダイジェストで。再生時は一応「音声注意」っす]
個人的には3:40あたりから(前半42分)のくだりが最大の見所だと思います。
中村俊輔選手のシュートに対して、
松木「よっしゃ!(絶叫)」
実況アナ「おっと、ハンドじゃないか?(いきなり口語調)」
松木&実況「ハンドだ、ハンドだろう?」
堀池ピッチ解説「ハンドですね」
松木「PKだ。よしぃ」
実況アナ「日本、PK!」
こうした「実況」に批判的な方々がいらっしゃるのも承知していますが、現地にいた人間からすると、こう叫びたくなるのが痛いほどわかります。
機械がしゃべっているのではなく、声を発するのは感情を持った人間。それも日本代表
を愛している
からこその「ココロの叫び」なのですから。
この場面の後、お茶の間と観客席がライブでシンクロします(ハイライト 3:55-3:58の数秒間)。

[デジカメを手放さない背番号22が小生であります]
このとき、私が指さして叫んでいたのは、
「遠藤コロコロ!遠藤コロコロ!」
…キモチ、わかってもらえますよね?
[あの興奮をダイジェストで。再生時は一応「音声注意」っす]
個人的には3:40あたりから(前半42分)のくだりが最大の見所だと思います。
中村俊輔選手のシュートに対して、
松木「よっしゃ!(絶叫)」
実況アナ「おっと、ハンドじゃないか?(いきなり口語調)」
松木&実況「ハンドだ、ハンドだろう?」
堀池ピッチ解説「ハンドですね」
松木「PKだ。よしぃ」
実況アナ「日本、PK!」
こうした「実況」に批判的な方々がいらっしゃるのも承知していますが、現地にいた人間からすると、こう叫びたくなるのが痛いほどわかります。
機械がしゃべっているのではなく、声を発するのは感情を持った人間。それも日本代表
この場面の後、お茶の間と観客席がライブでシンクロします(ハイライト 3:55-3:58の数秒間)。
[デジカメを手放さない背番号22が小生であります]
このとき、私が指さして叫んでいたのは、
「遠藤コロコロ!遠藤コロコロ!」
…キモチ、わかってもらえますよね?
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